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あの場所でまたともに
はじめに
あの泳いだ川辺に、あの涼んだ木陰に、あの日歩いた小道に。思いをはせたい創作です。メイアイの世界のもととなった、私の学友との何気ない会話から、着想を得ました。
親愛なるあの日の友人たちへ。
このばしょ
字の読めない人魚のために、少女は絵本を作ります。版画と、活字で人魚の親しみやすいお話しを。一緒に川を泳ぎ、木陰で休み、小道を歩く。人魚の好奇心は次第に満たされて。
おはなし
人魚の子が一人、湖の底で住んでいました。彼女には太陽はまぶしすぎて、外にはいられないからです。でも、彼女は外の世界への好奇心は抑えられるものではありませんでした。
えいえんはない
それでも
きみとであって
川辺で黙々とキャンパスに筆を走らせている少女と、それをじっと見守る少年がいました。少女は時折少年に他愛ない話を振りながら、目の前の景色を描写していきました。しかし、少女はあることに気がつきます。あんなところに岩なんてなかったわ。
またこのばしょで
少年は旅に出た、一番時間がないから。少女はおとなになった、もう遊べない。残された1000年をどう生きようか。またこのばしょで出会えた時、君たちに自慢できるよう、絵本が読めるようになろう。
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